家族信託契約書(ひな型)

「高齢の親(委託者兼受益者)」から「子(受託者)」へ
財産管理を託す場合の簡易な契約書のサンプルです。

※本ひな型は説明のための簡易なサンプルです。実際の契約にあたっては、ご家族の状況に応じて条項を個別にカスタマイズし、さらに公証役場にて「公正証書」にする必要があります。


家族信託契約書(ひな型)

本契約書案は、「高齢の親(委託者兼受益者)」「子(受託者)」に財産管理を託し、親の生活費や医療費を確保することを主目的とした典型的な事例に基づいています。



委託者兼受益者 〇〇(以下「甲」という)と受託者 〇〇(以下「乙」という)は、以下のとおり、信託契約を締結した。

第1条(信託の目的)

本信託の目的は以下のとおりとする。

  1. 甲の財産管理の負担を軽減すること
  2. 甲が、従前と変わらぬ生活を続けられるよう、迅速な生活支援を行うこと
  3. 甲が認知機能等の低下に遭遇した場合であっても、その財産を乙が管理運用することにより、親族に経済的な負担を求めることなく、甲の財産の範囲内で安定した生活を送れるようにすること
第2条(信託財産)

甲は、本契約の締結の日(以下「信託開始日」という)に、前条の目的に基づき、別紙信託財産目録記載の財産(以下「信託財産」という)を乙に信託し、乙はこれを引き受けた。

第3条(信託財産:不動産)
  1. 信託財産目録記載の不動産の所有権は、信託開始日に乙に移転する。
  2. 甲及び乙は、本契約成立後直ちに、当該不動産について信託を原因とする所有権移転登記及び信託の登記申請を行う。
  3. 登記費用は、乙が信託財産から支出する。
第4条(信託財産:金銭・預金)
  1. 甲は、本契約締結後、遅滞なく、信託財産目録記載の預金を払い戻し、当該払戻金を乙に引き渡す。
  2. 乙は、前項の金銭を第12条の定めに従い、信託口口座(信託専用口座)等にて分別管理する。
第5条(受託者の権限・信託事務)

乙は、以下の信託事務を行う権限を有する。

  1. 信託不動産の管理・保全・修繕・処分(売却等)
  2. 信託不動産を第三者に賃貸し、賃料を受領すること
  3. 受領した金銭を管理し、甲の生活費、医療費、介護施設入所費用、納税資金等に充てるために給付・支出すること
  4. その他信託目的を達成するために必要な一切の事務
第6条(信託事務の委託)

乙は、信託不動産の管理(建物管理や入居者募集等)を第三者(不動産管理会社等)に委託することができる。

第7条(善管注意義務・忠実義務)

乙は、信託事務の処理について、善良な管理者の注意義務(善管注意義務)及び受益者のために忠実に事務を行う義務(忠実義務)を負う。

第8条(分別管理義務)

乙は、信託財産と乙自身の固有財産とを以下の方法により分別して管理しなければならない。

  1. 金銭:外形上区別できる状態で保管する方法(信託専用口座での管理等)
  2. 不動産:信託登記
第9条(帳簿の作成・報告)
  1. 乙は、信託財産に関する帳簿を作成し、毎年1回、一定の時期(例:毎年1月末日)に貸借対照表、損益計算書等の報告書を作成する。
  2. 乙は、作成した報告書を甲(受益者)に提出・報告しなければならない。
  3. 作成した帳簿等は10年間保存しなければならない。
第10条(利益相反行為の許容)
※受託者が信託財産を利用する場合に必要な条項です。

甲は、乙が以下の行為を行うことをあらかじめ承諾する。

  1. 乙及びその家族が、信託不動産を自己の生活の本拠として無償で使用すること(使用貸借)
  2. 乙が代表を務める法人に対し、信託不動産を相当な対価をもって賃貸すること
第11条(信託報酬)

乙の信託報酬は、無報酬とする。
※報酬を定めることも可能です

第12条(信託の終了事由)

本信託は、以下の事由が生じた時に終了する。

  1. 受益者(甲)の死亡
  2. 受託者(乙)及び後継受託者(甲)の合意
  3. 信託財産の消滅
第13条(残余財産の帰属)

信託が終了した際の残余財産(残った財産)は、受託者の子である〇〇に帰属させる。

ご質問等はお気軽にどうぞ

家族信託は、ご家族の状況に合わせたオーダーメイドの契約設計が不可欠です。
初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。